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2017.02.14 活動報告

学校建設事業参加型評価:ミャンマー

報告者:マウンドー事務所 今村

 

これまでも何度かご紹介していますが、BAJはラカイン州で学校建設の事業を行っています。2012年9月から2017年8月までの5年間で合計100校の校舎を建設中で、既に76校が完成済みです。

 

これまでのプロジェクトのインパクトはどうだったのか確認するため、そしてさらに反省点をこれからのプロジェクトに活かしていくため、現在、プロジェクト評価を行っています。評価の手法は、以前ご紹介した参加型評価手法です(詳細はこちら)。今回は、4年次までに完成した76校のうち、昨年10月9日の襲撃事件の影響を受けたマウンドー郡、ブティドン郡、ラティドン郡を除く69校で実施しました。

 

69校全てスタッフが現地に行き、住民や教員そして児童・生徒の声を集めましたが、ラカイン州、なかなか面積が大きいので、移動が大変です。シットウェからタンゴップまでボートで移動したところ、何と13時間もかかってしまいました。帰りはさすがに、タンゴップのお隣アンからシットウェまで飛行機で戻りましたが、ラカイン州内全域の広範囲に渡って学校を建設するのは一苦労と改めて実感。

 

保護者の家に訪問し、質問中


子どもたちから聞き取り


学校管理委員会のメンバーたちとディスカッション


参加型評価の結果は、データを集計後に分析を開始する予定ですが、データ収集に同行して、既に建設を完了した学校で避難実績が出ていることが確認できました。

 

2015年7月、8月ラカイン州は豪雨とサイクロンコメンに襲われました。BAJも緊急支援の一環として、別プロジェクトでマウンドー郡の学校校舎修繕を行いました(プロジェクト詳細はこちら)。

 

100校の学校建設事業では、当時50校近くの校舎が既に完成していたので、被災した村では、村の人たちがBAJ校舎へ避難していました。大体の場合、村の人たちが災害時に避難する場所はお寺です。BAJ校舎一つに避難が必要な全住民を収容できるわけではありませんが、お寺の他にも避難先の選択肢が増えることは住民の安全につながります。

 

タンゴップ郡の村の一つでは、2015年8月全住民がお寺と学校(下記写真参照)の二手に分かれて避難したとのことでした。

 

 

 


今回ご紹介したのは、事業インパクトの一例ですが、教室が増えたことで小学校から中学校へと学校のグレードが上がったり、BAJ建設事業に参加した村人が身に着けた建設技術を使い他の建設現場で働き収入を得たりと、他のインパクトも見られました。

 

もちろん、BAJが反省すべき点もいくつか出てきています。その辺も含めて、収集データを分析し、次のプロジェクトに活かしていきたいと思っています。

 

●ラカイン州での小学校建設事業は、日本財団と皆さまのご支援により行っています。

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