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2023.12.28 活動報告

水質汚染を学び、ミニ浄水器をつくろう:ベトナム

報告者:フエ事務所Cam、Nhu

11/22、12/1、12/7にフエの3つの小中学校にて環境教育活動を実施しました。

 

現在、水質汚染はベトナム国内で非常に話題になっています。生徒たちが水質汚染についての知識を深め、水源や環境保護についての認識を深めてくれることを期待して今回の授業を実施しました。

 

また、フエでは洪水がよく起こります。そのたびに水道からは汚染された水がよく出てきます。子どもたちにミニ浄水器(ろ過装置)作りを教えて、生活用水をろ過するときに活用してもらいたいと考えました。

 

ミニ浄水器はペットボトルを使って、石炭、砂、砂利、綿など日常生活に身近な材料を使って作ります。そして、生徒たちと一緒に水がろ過されていく過程を観察しました。

 教える内容は主に次の6項目です。

・水質汚染の概念

・水資源の現状

・水質汚染の原因

・水質汚染の影響

・水源を保護するための解決策

・ミニ浄水器を作ろう

たとえば「水質汚染の現状」ついては、ベトナムの水質汚染は農村部だけでなく、ハノイやホーチミン市、近隣の省でも深刻です。

 

ハノイ市では、毎日約35~40万m3の廃水と1,000m3以上の廃棄物が排出されますが、処理されるのはわずか10%で、残りは河川に直接排出され、ホータイ湖の水質汚染と魚の死滅を引き起こし、汚染レベルは6つの地区(バーディン、ホアンキエム、ドンダー、ハイバーチュン、カウジャイ、タイホー)に広がっています。

また、ホーチミン市では 最も典型的な水質汚染はタンルオン工業団地で、洗濯粉、製紙、染料工場から1日あたり約50万m3の排水があるとされます。上記のような水環境の汚染は、原因を迅速に特定し対策を講じなければ、増加しつづけるといわれています。

水質汚染は、水生生物の生活環境を悪い方向に変化させてしまいます。

魚やエビなどの海洋生物の発育が遅くなり、汚染レベルが許容限度を超えると、適応できなくなり、大量死や海洋資源や水中生態系の減少につながります。毒に汚染された魚を食べれば、人間の健康も脅かされてしまいます。

また、陸上植物の生命にも影響を及ぼします。具体的には、植物や作物の灌漑に汚染水を使用すると、生育が阻害され、成長が遅くなり、水質汚濁のレベルが高すぎると、土地は不毛になっていき、浸食されやすくなります。

 

水源を守るための解決策としては、廃棄物の利用と処理に関する人々の意識を高めることが必要です。環境関連法に対する制裁制度の整備・改善、また、汚染水処処理技術を積極的に使うことです。

ここまで勉強して、あとは実際に手を動かしてみる段階に入ります! 子どもたちといっしょにミニ浄水器を作ります。

授業はスムーズに進みました。生徒たちは積極的に授業に参加してくれました。感想をいくつか紹介します。

 

「今日の授業はとても面白かったです。水質汚染について学んだし、ミニ浄水器も作りました。今日の授業は本当に楽しかったです。興味深い知識をおしえてくれたBAJに感謝します」

 

「水質汚染について学んだり、石炭、石、砂、綿を使って浄水器を作ったりして、とても楽しかったです。でも、ベトナムの水質汚染現象を目の当たりにして、悲しい気持ちにもなりました。次回は大気汚染について学びたいと思います。寄付してくれたBAJのサポーターのみなさまにとても感謝しています」

 

ミニ浄水器づくりは子どもたちに好評だったようです。

感想からは次回も積極的に勉強したいという意欲が伺えました。

これからも子どもたちが楽しんで勉強できる環境教育活動を実施できればと思います。

サポーターの皆さまに感謝申し上げます。


●この活動は、輝けアジアの子ども基金 のご支援や皆さまからのご寄付によって行われています。

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