ミャンマーの活動ACTIVITIES OF MYANMAR

インフラの整備(ラカイン州の全域・中央乾燥地域ほか)

生活の基盤となる水や電気、そして学校や橋などの公的施設の整備は、暮らしを成り立たせるためにも必要不可欠です。BAJは、辺境の地にあってそうしたサービスになかなかアクセスできない地域で、住民の方に技術移転を行いながら、井戸の掘削建設や安全な学校校舎の建設を進めてきました。
ミャンマー国内のなかでも辺境の貧しい地域であるラカイン州は、豪雨地帯でありマラリアや感染症などの多発地帯でもあります。水や電気も滞りがちで、道路や橋、学校などのインフラ整備が遅れています。

住民参加が特徴

BAJでは、学校建設、橋、井戸などインフラ整備の建設事業を、必ず「住民参加型」でおこないます。これは、地域住民の方に座学と実地による技術訓練(OJT)を行いながら、共に建設を進めていくことです。技術の習得後には次の現場で雇用されるケースもあり、収入向上につながります。また、自分たちの手が加わることにより、地域のオーナーシップが高まります。

学校校舎の建設事業(ラカイン州全域・全17郡)

180校をめざして

BAJは、ミャンマーでの活動を開始してからさまざまな資金を受けて多くの学校校舎を建設してきました。2016年までに建設・修繕した学校校舎は、241校にのぼります。2012年10月からは日本財団の資金を得て、ラカイン州での学校建設事業として「5年間で100校の学校を」と本格的な学校建設事業を開始しました。5年目となる2017年9月までに、100校の校舎が完成しています。
なお、第2フェーズとして、さらに5年間の延長が決まり、80校の学校建設に加えて、PTA強化や防災訓練のワークショップ、教材林の植林、図書の設置などさらに充実した事業を進めています。

ミャンマーで多くみられる子どもたちが通う木造校舎は、過酷な気候条件のなかで、屋根が雨漏りしたり床が抜けたりしてもなかなか修復に手が回らず、危険な環境におかれていること校舎が少なくありません。BAJは、子どもたちが安全な環境で学べる、鉄筋の堅固な校舎を建設しています。
▼学校校舎建設事業に関する活動報告▼
OJT制度と安全管理に関する講義の教材 2020.1.17報告
エーヤワディー地域へのスタディーツアー 2019.4.26報告
中間ふりかえり 2019.3.6報告
建設現場の様子 2019.1.18報告
活動報告を東京で開催 2018.12.14報告
調印式 2018.9.7報告
専門家による指導 2018.6.27報告
企業との取り組み 2018.6.8報告
住民参加型による校舎建設の取り組み 2018.5.15報告
企業との取り組み 2018.1.26報告
専門家による指導 2017.12.22報告
校舎建設事業 第二期開始 2017.12.10報告
教育事情よもやま話~ヤンゴンとラカインの比較 2017.5.30報告
プロジェクト評価~参加型評価の手法をつかって 2017.2.14報告

地域のニーズに合わせた設計

校舎は子どもたちの人数や国の基準に合わせて設計しますが、BAJはさらに地域の特性に合わせて3つのタイプを用意しています。オーソドックスなタイプ、洪水やサイクロンに見舞われる地域には高床式、あるいは屋上に退避できる校舎の3タイプです。頑丈な校舎は、緊急避難場所としての機能も果たしています。

学校教材林

ラカイン州では僻地においてさえ、自然の森や里山的な環境の劣化が進んでいますが、小学校での環境教育や環境を意識した防災教育は行われていません。そこで、環境・防災教育の端緒を開くために、小学校の校庭に伝統的に利用されてきた樹木による教材林の造成を始めました。
▼学校教材林事業に関する活動報告▼
実施可能性調査をおこないました 2019.11.26報告
環境教育授業の様子 2019.8.26報告
環境について学ぶきっかけづくりを 2019.7.16報告

学校マングローブ防風林植林事業

エーヤワディーデルタの小学校は、マングローブ林が消失した低湿地で、平坦な三角州の水際にあり、悪天の影響を強く受けています。少ない予算のなかようやく建てられた校舎は度々損傷し、修理が行き届かないため劣化が早く、教育環境が損なわれています。
そこで、暴風雨を緩和し校舎の劣化・損傷を最小化すること、そして村の避難所ともなる校舎の避難時の安全性を高めることを目的として、校舎や敷地を囲む「マングローブの防風林」を作る活動を始めました。
植えられた苗木は全て在来樹種であるため、学校を囲む郷土の森が復元されることになり、理科教育の教材や展示林的な役割を果たすことも可能になります。子どもたちが青年になる頃には、鬱蒼とした樹林が学校と村の人たちを守ってくれることでしょう。

▼マングローブ防風林植林事業に関する活動報告▼
子ども達がマングローブの植林をしました 2019.7.20記事

Book&Toyプロジェクト

BAJでは、おもちゃ美術館との協働事業として、2016年1月より、図書とおもちゃをセットにした本棚を100か所に寄贈する「Book&Toyプロジェクト」を開始しました。2019年9月までに、小学校中学年向けの図書約250冊を、各地の小学校、僧院学校100校へ寄贈することができました。
▼Book & Toy 100 事業に関する活動報告▼
終了報告と今後の展開 2019.9.20記事
次なるステップへ「移動型おもちゃ美術館 JAPAN TOY MUSEUM」2019.1.31記事
企業による寄贈ミニライブラリー寄贈 2018.12.7記事
活動報告会を東京で開催 2018.8.13記事
寄贈式の様子 2018.3.17記事
モニタリング報告 2018.2.14記事
第9弾寄贈の報告 2017.12.29記事
寄贈図書についての紹介 2017.10.29記事
25校目寄贈の報告 2017.5.1記事
第3弾寄贈の報告 2016.12.9記事

橋梁の建設事業(ラカイン州全域)

1994年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がラカイン州西北部で帰還民の事業を開始した当初、地元民が造る木造の簡易な橋は豪雨により流され、難民を村へ帰還させることが困難な状況がありました。そこで、BAJは鉄筋コンクリートで車両が通れる橋梁を建設したところ、村から橋建設の要望が相次いだことをきっかけに橋梁建設の事業を開始しました。2016年までに312本の橋を完成させています。

さまざまなタイプの橋

鉄筋の橋建設にはお金がかかります。そこで地域の実情に合わせてさまざまなタイプを選んで建設しています。橋の長さもいろいろですが、通常に比べて金額を抑えられるボックスタイプや、雨季の数日間だけ河川がオーバーフローする沈下橋などです。また橋の欄干は、住民やエンジニアが楽しみながらデザインしています。

生活用水供給事業(中央乾燥地域)

水は金よりも重い

ミャンマーの中央に広がる地域はドライゾーンと呼ばれる乾燥地域で、「水は金より重い」という諺があるように、年間500~700ミリ程度が雨季に降るだけです。しかも帯水層は200~300メートル掘る必要があり、そのためには経験のあるエンジニアと電気探査など大がかりな調査、そして実際に掘削するための大型の掘削機械と関連設備機器が必要となります。BAJは1999年より井戸掘削建設事業を開始しました。2016年までに掘削建設した井戸は536本、修繕した井戸は465本にのぼります。この間に現地スタッフに技術を移転し、現地化を進め、2015年には日本人スタッフを引き上げて、中央乾燥地の事業地では2017年7月には現地への引き渡しをおこないました。

掘削機の導入

古い掘削機は所有するカウンターパートとシェアしながら、しかも修理しながら進めるため稼働率が悪く、工事期間が長引き、その結果として村に負担をかけていました。2004年にある企業経営の方からのご支援を受け、BAJとして自前の掘削機械を手に入れることができ、乾燥地域での積極的な水供給事業が本格化しました。

井戸の維持管理と効果

井戸掘削に必要な各種のパーツは、当時は海外からの入手が困難だったため自前のワークショップで製作しながら進めます。同時に現地スタッフに必要な技術を移転しながら、人材の育成にも力を入れました。
一方で村の水管理委員会と維持管理の話し合いを進めます。井戸を適切に維持するには、揚水ポンプなど簡単な修理やメンテナンスが必要です。さらにポンプを稼働するための燃料や消耗するパーツ交換など費用もかかるため、水に料金を付けて徴収する仕組みが必要です。BAJでは井戸の運営管理人を選んでもらい、技術やマネジメントの研修をおこないました。この仕組みをじょうずに運営し、収益で校舎を修理する村やパーツを購入して交換に備える村もでてきました。

ローカライズ(BAJ現地スタッフの独立)

近年、カウンターパートには日本政府から新しい掘削機械が供与され、彼らで深井戸の建設がおこなえるようになりました。
BAJのスタッフとして育成した人材も修繕や掘削建設をこなせるようになり、2017年に機材などもふくめて彼らに水供給事業を引き渡すことができました。現在は、元BAJマグウェ事務所スタッフが起業した現地グループのNational Water Service Group (NWSG) が、中央乾燥地で水供給事業を継続しています。BAJは、ドナーとの調整などサポートを行っています。

その他のインフラ整備

シェルター建設等

ラカイン州では、インフラ整備の一環としてコミュニティーセンターなど公共施設建設、緊急でのシェルター建設などをおこなっています。

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