報告者:ヤンゴン事務所
BAJにおける子どもたちへの図書寄贈活動は、設立20周年事業の一環として2013年にスタートした「小さな図書室」プロジェクトにさかのぼります。その後、2016年からは東京おもちゃ美術館との協働により、図書とおもちゃをセットにした「Book&Toyミニライブラリー100」プロジェクトへと展開。クラウドファンディングや大阪マラソンチャリティランナーの皆さまをはじめとする温かいご支援を受け、2019年には目標であった100校への寄贈を達成いたしました。
その後も、移動型おもちゃ美術館の開催や要請に応じた寄贈を続け、これまでにミャンマー各地で累計124か所のミニライブラリーを設置してきました。現在は現地情勢やアクセスの制約からヤンゴン近郊を中心に活動を継続しています。
本記事では、2026年5月・6月におこなった僧院学校への寄贈活動と、7月に実施した過去寄贈先のモニタリング調査および追加図書の配布について詳しくご報告いたします。
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Book&Toyミニライブラリーセット(特別設計の本棚、図書とおもちゃ、日本からのけん玉や囲碁など)
2026年5月22日、ヤンゴン市チンミンダイン区にあるタンティ・トゥカ僧院学校にて、本とおもちゃの寄贈式と「移動型おもちゃ美術館」を開催し、児童約63名が参加しました。
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(寄贈式で集まってくれた子どもたち)
寄贈先の背景と現地校長の熱意
同校は現在、小学生313名(男子169名、女子144名)が通う僧院学校です。紛争や経済的困窮など、さまざまな理由で、年々生徒数が増加しており、校舎の増築を進めています。校長の僧侶は教育に対して非常に熱心で、BAJのミニライブラリー事業の趣旨にも深く共感してくださいました。
寄贈内容の紹介、『えんとつ町のプペル』も蔵書入り
今回の寄贈では、特注の本棚1台とともに、物語や伝記、科学・数学、英語学習本など多様なジャンルの図書129冊と、7種類の玩具を届けました。おもちゃにはミャンマー伝統の張り子の人形(フクロウ、ラクダ、牛)や竹製のボール(チンロン)などに加え、日本から送った囲碁セットやけん玉も含まれています。
さらに今回は、新町智哉様よりご寄贈いただいた日本の絵本『えんとつの町プペル』のミャンマー語訳版も新しい蔵書として加わりました。
子どもたちからは、「これまで遊んだことのないおもちゃで遊べてとても楽しかった」「毎日役に立つ本を読んで過ごします」「新しい知識が得られてワクワクした」といった感謝の声が寄せられました。
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(良質なおもちゃで「遊び」の空間を創造する「移動型おもちゃ美術館」も同時展開)

(『えんとつ町のプペル』ミャンマー語版をいただきました。新町智哉様、石川航様、ありがとうございました!)
読書習慣を根付かせるための管理計画と反省点
当日はおもちゃ遊びが盛り上がるあまり、読書に集中したい子の邪魔になってしまったという現場での反省がありました。そのため、今後は読書とおもちゃの時間を明確に分ける運用をおこなっていく考えです。
また学校側では、教員2名と生徒リーダー1名でライブラリーを管理し、週2日(土日または仏教の祝日等)午前9時〜11時に開放する計画を立てています。小学校3〜5年生を対象に1週間の貸出もおこなうほか、校長先生の発案で「読んだ本の内容を子ども同士で語り合い、体験を共有する場づくり」も構想されています。将来的に新しい校舎が完成した際には、専用の図書コーナーを設置する予定です。
また、本寄贈は、大阪マラソンチャリティランナーの皆さまおよびジャパンパイル株式会社様からの温かいご寄付により実現いたしました。心より感謝申し上げます。
BAJでは「届けて終わり」にせず、その後の活用状況を確認し必要なフォローをおこなう「モニタリング調査」を重視しています。2026年7月には、2022年に事業を再開した後に寄贈をおこなった施設などを訪問し、活用の様子や抱える課題の聞き取りと、追加図書の配布を実施しました。
そのなかで、下記の2か所のようすについて、ご紹介します。
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(モニタリング時に追加した図書の一部をご紹介)
◆ マーシー児童養護施設
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◆ ニューホープ・チルドレンホーム

今回のモニタリングを通じて、低所得地域や社会的に厳しい立場にあるコミュニティでは、保護者や地域リーダーが生計を立てることに追われ、子どもの読書活動を十分にサポートしきれない難しさがあることが改めて浮き彫りになりました。また、一部の僧院学校などでは教育関連の規制強化等により授業の一時中断を余儀なくされるなど、子どもたちの学習機会が脅かされる状況も生じています。
その一方で、子どもの将来のために熱心に環境を整える施設リーダーがいる場所では、読書習慣がしっかりと根付いています。ミャンマーの情勢混乱が続くなかでも、子どもたちが教育や健やかな遊びの機会を失わないよう、現場の大人が工夫を凝らして奮闘しています。
2013年の開始以来形を変えながら続いてきたこの取り組みですが、BAJは今後も現地の情勢に配慮しながら、子どもたちが安心して本を開き、笑顔になれる時間と場所を守るため、ミニライブラリー活動を粘り強く続けてまいります。
●Book&Toyミニライブラリー事業は、皆さまからのご寄付やチャリティランナーの皆さまのご支援によって支えられています。
●子どもたちに継続して本と学びの機会を届けるため、引き続きご支援・ご協力をよろしくお願いします。
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