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未来を信じて:ミャンマー・ラカイン州

未来を信じて:ミャンマー・ラカイン州

報告者:マウンドー事務所 U Zin Min Htike

内戦で被災した事務所に今年5月に帰還して以降の、警備と再建に取り組くむ様子と思いを、現地のU Zin Min Htikeが伝えます。
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■ 内戦による破壊と避難

2024年8月、ミャンマー・ラカイン州マウンドー郡を襲った内戦は、人々の日常を破壊した。BAJの職員も町を追われ、安全な村へ避難を余儀なくされた。戦闘の渦中にあったマウンドー事務所は砲撃と空爆で壊滅。屋根は崩れ落ち、壁は無数の傷を負い、内部の機材や備品は略奪され尽くしていた。長年、地域の若者を育む活動を支えた机やコピー機、PCもすべて失われ、沈黙する廃墟だけが残された。避難先でその報に接した職員たちは、かつて仲間と働いた場所の記憶が蘇るたび、深い喪失感に襲われた。積み上げてきた希望そのものが瓦礫と化した瞬間だった。

■ 守衛の再配置と初期修復

絶望から約8か月後の20254月、事務所に二名の守衛を再配置できた。我われがまず取り組んだのは、爆撃で穴だらけになった倉庫の屋根修繕だった。雨季に備え、人が寝泊まりできる空間を確保した。雨をしのげる場所を取り戻したとき、職員たちの心に小さな希望の灯がともる。その後、私も日中の事務所滞在をはじめ、まず侵入者に壊されたフェンスを修繕。敷地内のすべての車両は損傷し、エンジン部品も持ち去られていた。厳しい現実に直面しながらも、「失われたものを嘆くのではなく、残されたものを守り抜こう」という決意が、我われを瓦礫の中から立ち上がらせた。

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■ 廃墟での清掃と備品移動

私と守衛たちは、残された機材や工具を保全するため、修繕した倉庫への移動作業を開始した。床にはガラス片が散乱し、天井や壁は崩落寸前という危険な状況下で、職員は細心の注意を払って備品を運び出した。作業場にほとんど何も残されていない現実に胸を痛めながらも、「この場所での活動を必ず再開させる」という強い思いが私たちを前進させた。粘り強い在庫確認を続ける中、5月には敷地から手榴弾や弾薬が発見された。危険物除去後、職員たちは生い茂る草木を刈り払い、荒れ果てた敷地を整えた。「再び若者が集い学ぶ場所に」。その願いを胸に作業を進めるうちに、希望の芽は力強く育ち始めていた。

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【上写真】 モノを手でどけた後、壁や屋根の破片や泥を片付ける。気の遠くなる作業を懸命に続ける職員(事務棟)。

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【上写真】 備品や資機材の上に屋根が崩落していたモーターボート部品倉庫(左)。 二人の守衛職員がすべて手作業で片づけて掃除を終えた(右)。

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【上写真】 建屋の修繕はできないが、できる限りの片付けと掃除を終えた部屋。

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【上写真】 薮化した敷地を刈り、刈り草や枝、倒木などを集めて運び出す。24時間警備の合間に何週間もかけて根気よく片付つづけたが、復旧・整備作業はまだまだ続く。

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【上写真】 薮刈りを終えた門の内側。広い敷地の爆発物探査と環境維持は雨季明け10月以降もつづく。

■ 苦難の中の再生への思い

失われたものは大きいが、マウンドーに戻った我われ職員たちの胸には「ここから立ち上がる」という揺るぎない決意が宿っている。フェンスを直し、草を刈り、備品を守る。その地道な積み重ねが、やがてこの土地と人々の心の再生につながると信じている。再び研修室が若者の熱気で満たされ、作業場で技術を磨く槌音が響く日を思い描きながら、黙々と作業を続ける。戦火に焼かれた事務所は、不屈の努力の中で少しずつ再生の姿を取り戻しつつある。この苦難は仲間との絆をより強固にし、未来への信念を力強いものへと変えた。BAJが掲げる「違いを超えて、ともに知恵を出し合い、ともに生きる道をさぐる」という理念を胸に、私たちは確固たる覚悟で絶望の先にある未来へ向かって歩み続ける。

(翻訳と修正 大野勝弘)
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